— Delirious New York Diary

偶像のさだめ

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ニューヨークの都市としての歴史を知る上で、最も面白い本をあげるとしたら(自分にとっては)これしかない。

「錯乱のニューヨーク」レム・コールハース著
このブログのタイトルにも拝借している。彼の作品を理解する上でも、この本は必読と言える。というより、彼の作品は、ここで描かれた彼の都市イメージを一つずつ具現化しているに過ぎない。(彼はもともとシナリオライターを目指していたから、自分の生き方のシナリオをこの本に思い描いたのだろう)
WTC 偶像のさだめ

都市を「ジャンクスペース」と語る彼の言葉に皮肉を探すのは可能だが、それよりもニューヨークに対する深い思い入れが、「都市」というもののなかでその一員として何かを創りだそうとする彼のよりどころであることのほうが大きい。そして、高層ビルという今では見慣れて凡庸化したかに見える存在が、都市というイメージを体現し、それを実現する上で数々の夢やユートピア思想を飲み込んできた物として、それを創りだした人々とともに生き生きと描き出されている。
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ニューヨークを訪れる人にとって、エンパイアステートビルやクライスラービル(残念ながら今はないワールドトレードセンターも含め)はニューヨークそのものであり、都市そのものだ。そうして偶像化された高層ビルだからこそあの9/11も演出された。それらをさらに深く知るガイドブックとして、「錯乱のニューヨーク」はおすすめだ。この本を読んだ上で見るニューヨークは、都市という偶像に隠れた歴史と人々の営みの積み重ねをかいま見せてくれる。
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1 comment
  1. buranii says: 5月 24, 20059:41 PM

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとう。
    「錯乱のニューヨーク」でのコニーアイランドの話やエレベーターの話が印象的でした。
    さすが元シナリオライターですね。
    また拝見しにきますので宜しくです。

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