— Delirious New York Diary

SheepWalk〜羊毛フェルトのお店〜をオープン

自分のバックグラウンドを活かしながら、キルギスと日本をつなぐ方法を考えてきました。

そんな中で、幸運としか言いようのないさまざまな出会いを通じて、あるプロジェクトを準備しています。

それは、中央アジアの伝統である羊毛フェルト製品を日本で販売するというもの。ただ販売するだけでなく、製作者であるキルギスのアートグループ、TUMAR社と共同でデザインを起こしたり、企画したりするのです。

TUMAR社は、羊毛フェルト製品作りに必要な全ての工程を自社内の工場やアトリエで行なっています。100%ウールフェルトにこだわり、羊毛フェルトの持つ風合いや手触り、強さを活かした製品づくりをしています。またほとんどすべての工程を、手作業で行なっていますが、そうした作業を行う職人の育成や教育も社内で行なっています。

そんなTUMAR社と共同で製品を作り、また日本で販売するチャンネルとして、”SheepWalk”を立ち上げました。Sheep Walkとは、英語で牧羊場のこと。羊が歩きまわり、餌を食む広々とした牧場のイメージと、羊が群れるキルギスの雄大な大草原のイメージを重ねて、名付けました。

SheepWalk〜羊毛フェルトのお店

オンラインショップオープンに関連して、自由に製品への要望や意見、こうしてほしいといった希望などを集約できる、Facebookページも同時にオープンしています。また、Twitterによるつぶやきも反映できればと考えています。

SheepWalk x TUMAR
Twitter: @Sheepwalk530

とあるフェルトのコンピューターケース製品を日本で購入し、キルギスに来て使っていました。購入時の触れ込みでは、とても高いスキルで製造された、手作り品とのことでした。しかし、フェルト自体は”ポリエステル繊維のフェルト”だとキルギスに来て指摘されてしまいました。ナチュラルだと思っていたものが、そうではない。。。それが、いろいろなことを考える切っ掛けになったのです。

工業製品は、人々に必要とされるものを大量生産することによって製品の質を安定させ、安価にし、多くの人の手に渡るよう産み出されたものです。この事自体は素晴らしく、そうして我々の生活が便利になり、楽になった事実は誰の目にも明らかです。
一方で、大量生産は多くのものを犠牲にします。コストの削減、機械が扱える方法への限定、人工的な素材や材料、それによる人体への危険性。。。高いものが良いとは言わない、けれども安いものが良いとも言えない。そうした意味で、日本の今の姿には、問われるべきさまざまなものが明らかになってきていると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羊毛フェルト作りは、羊を飼う民族の間では長い間行われてきた伝統のある技術です。羊と暮らし、羊の毛を刈り、その毛を利用して着るものや生活必需品、子供のおもちゃまで作る。羊毛の不思議な効能を知り、その特性を学び、そこからおどろくべき方法で本当にさまざまな物を作り出します。その風合いや手触りを知ると、人と自然との対話の歴史や、自然の中で自給自足する人の姿を思い起こさずに入られません。温かく、柔らかく、それでいて強くしなやか。それは、ポリエステル繊維のフェルトがいくら見た目に整っていようとも、越えられない魅力を持っているのです。

もちろん、今日の文化や生活の中で単純に伝統を再現すれば良いとは思いません。伝統とは過去の文化を引き継ぎ、現代の暮らしの中で改良し、作り替えて次世代へ受け継いでこそ伝統と言えます。アートグループTUMAR社は、伝統的な技術や製法から学びつつ、今日の文化の中でいかにそれを活かしえるかを念頭に、製品づくりを行なっており、その行動が高い評価を得ています。私も、そうした行動に同調し、参加したい。そこに自分のスキルであるデザインや設計を活かしてみたい。その思いが受け入れられ、現在TUMAR社と製品企画やデザインを行っています。

当初は小さな製品企画から始め、次第に製品の幅やフェルト利用の範囲を広げていく話をしています。例えば、家具デザイン。工業フェルトを使った製品は見かけるようになりましたが、羊毛フェルトではどうか。もちろん羊毛フェルトには欠点もあるため、それが利用の妨げになっている点も理解できる。ただ、時間をかけ、手作業で作っていく羊毛フェルト製品制作はモダンな工業製品製造にあてはめにくいものの、不可能ではないと考えています。その可塑性の高さや素材の丈夫さは、自然製品の持つ多少の不均一性の欠点を容易に超えていけます。

こうした大掛かりな企画を開始するにはもう少々時間がかかりそうですが、まずはオンラインショップでTUMAR社製品を日本に紹介し、少しずつ自分のデザイン作品をも増やしていければと今は考えています。

SheepWalkを、よろしくお願い致します。

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