— Delirious New York Diary

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Tag "Abstract"

地階の中庭に面している部屋からは、殺風景で何もない、狭い中庭が見える。向かいのいくつかのアパートは長いこと改装中なのか、誰も住んでいないようで、窓にはベニヤの板が打ち付けられている。気が滅入るかのような風景なために、スクリーンをおろしたままにすることが多い。

景色が見えない分、スクリーンを通して刻一刻と移り行く光と影のさまに時々見入ることがあった。まるで自分の精神状態を映し出すかのような、あるいはそんな光と影の作り出す光景に自分の心を重ねているのか、そのどちらでもあるのだろう。

window3 Room without view

window1 Room without view

window2 Room without view

空虚で透明であるかのような空間に、自分という精神が波のように広がったり収縮したりしながら充溢している。光と影のうつろいと揺らぎが息苦しさを和らげてくれるのを感じながら、静けさがどこまでも透明な空気に変わっていくのを見つめている。その中に流れる時はさらに空間を満たして、停滞ではない、充足の空間を現出させている。

20050701223450 Room without view

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何かを見ようとすることで見えるのか、何かが見えるはずなのに見えていないのか、窓に映る影やそれを生み出す光の光景を眺めながらただぼんやりと考える。

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Christler1 偶像のさだめ

ニューヨークの都市としての歴史を知る上で、最も面白い本をあげるとしたら(自分にとっては)これしかない。

「錯乱のニューヨーク」レム・コールハース著
このブログのタイトルにも拝借している。彼の作品を理解する上でも、この本は必読と言える。というより、彼の作品は、ここで描かれた彼の都市イメージを一つずつ具現化しているに過ぎない。(彼はもともとシナリオライターを目指していたから、自分の生き方のシナリオをこの本に思い描いたのだろう)
WTC 偶像のさだめ

都市を「ジャンクスペース」と語る彼の言葉に皮肉を探すのは可能だが、それよりもニューヨークに対する深い思い入れが、「都市」というもののなかでその一員として何かを創りだそうとする彼のよりどころであることのほうが大きい。そして、高層ビルという今では見慣れて凡庸化したかに見える存在が、都市というイメージを体現し、それを実現する上で数々の夢やユートピア思想を飲み込んできた物として、それを創りだした人々とともに生き生きと描き出されている。
20050521094311 偶像のさだめ

 

Christler2 偶像のさだめ

ニューヨークを訪れる人にとって、エンパイアステートビルやクライスラービル(残念ながら今はないワールドトレードセンターも含め)はニューヨークそのものであり、都市そのものだ。そうして偶像化された高層ビルだからこそあの9/11も演出された。それらをさらに深く知るガイドブックとして、「錯乱のニューヨーク」はおすすめだ。この本を読んだ上で見るニューヨークは、都市という偶像に隠れた歴史と人々の営みの積み重ねをかいま見せてくれる。
20050522145804 偶像のさだめ

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New Yorkを歩く時、必ずカメラを持ち歩くようになった。
DSC03369 New Yorkの埋もれた記憶

 



華やかな輝きを放つNew Yorkも、夢を追い続ける人を飲み込み続けるNew Yorkも、ごく地道に生活を営み続ける人々のよりどころであるNew Yorkも、どれもが現実だ。そのあまりのエネルギーに押しつぶされそうになることもあれば、街と人の交差するその営みに癒されることもある。
DSC03216 New Yorkの埋もれた記憶

そんな中、写真を撮る意味を最近考え直してみた。「自分」が写真を撮るということ。目の前の風景の中に何を見、何を感じたのか。それを写し取って、自分がここにいたということを残していく。そんなことを考えた後、New Yorkの街に、埋もれるように静かに息づいている何かを探そうとカメラを手にとった。
DSC04390 New Yorkの埋もれた記憶

数枚ずつ、写真を載せていきたいと思っています。

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